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2010年 10月9日-11日
 
       秋季合宿
 
空 欄 行 先 天狗のコルから奥穂高
空 欄 行 程 1日目 上高地BT(07:30)−岳沢小屋(10:00)
2日目 岳沢(05:35)−天狗のコル(08:09〜08:25)−ジャンダルム(10:00〜10:16)−奥穂高岳(11:30)−岳沢(15:00)
3日目 岳沢(09:00)−河童橋(10:45) 
メンバー 登攀チーム5名 縦走チーム3名






山岳会の秋季合宿、行き先は 「前穂北尾根」



ワタシには逆立ちしても・・いや、四つんばいでもムリなので、不参加表明していた

が、行き先変更の知らせが届いた


なになに、畳岩? ・・・これまた到底ムリやしぃ〜〜

おや、縦走コースってのが増えてるぞ・・


 
A 縦走コース

   「天狗のコルから奥穂〜前穂〜岳沢」          
  


へー、ジャン越えてくのかー、怖そー!   

ま、ウチにはカンケー無いし〜


と思ってたら、百畳での岩トレの時・・・


『 オレらも縦走コースに参加いいっすかー? よろしく!』





 しーげーおーーーー!(`д´;)ノ



 

10月9日 〜1日目〜

 

天はワタシに味方した                                  
     数日前からの予報どおり  雨 ( ̄ー ̄)v
が、悩む


めちゃくちゃ悩む!



・・・持って行く
酒の量 に悩む!!




『 宴会登山とちゃうで!わかってるな!!』


と、蝶野さんからクギをさされているのだー( p_q)
でも、雨だったら登れないだろしー


    そうなったら酒盛りしかないしー♪


かといって大量に持ってったら 『 なに考えとんじゃ!』 って

シバかれるしー・・・



悩んだ末にザックに忍ばせたのは、3リットルの箱ワイン

   ・・・足りるかな、、

ま、岳沢小屋も再開したことだし、なんとかなるさ♪
と、歩きながら酒量の心配してるのはワタシだけであり、、 
ほか7名が心配するのは明日の天候
『 明日は岩が濡れてたり風が強かったら中止ですよ! 』

でましたっ、 ウンチマニア ふるぽん小僧の心配性!

我ら縦走チームのリーダーです



『 ちょっとくらいヘーキやて、小っさいこと気にすんな!』

こちらもでましたっ、Shigeoのイケイケどんどん(-"-;)




岳沢小屋、雨でもにぎわってます
テント設営後、登攀チームは取り付き場所の偵察

縦走チームはリーダーがルート偵察 (本人は嫌がってたけど)


てな予定でありましたがー
雨です♪ 全員テントに集合〜!(゚∀゚)/
さぁShigeo、じゃんじゃん注いでーーー
そうそう、まずは一徹リーダーを酔わすのよっ


強敵はその隣!


「宴会ちゃうってゆーたやろっ!」って顔してる蝶野さんよっ


早く蝶野を酔わせてーーーっ!
が、しかし



蝶野が手酌を始める頃にはワタシが酔っ払っておりー・・・


昨夜運転で寝不足のShigeoもヘロヘロで、、
 一徹・蝶野コンビを酔わせて 「明日は上高地観光に変更!」 と言わせる作戦  ・・・失敗



2時過ぎ、まだ盛り上がってる登攀チームのテントから涙の敗退です (;ω;)


 


 おまけにこんな物騒(?)なモノ渡されたし、、、


    22年前、Shigeoが気まぐれにとった免許がこんなトコで役立つとは^^;



 たっぷり昼寝して腹ぺこで目が覚めました

 明日の 上高地散策の  ためにお腹を満たしたら、また眠くなる。。。
8時半、オヤスミナサイ〜   Zzzzzz・・・・

 

10月10日 〜2日目〜


 雨はあがってるけど霧のたちこめる5時半

 朝うどんで元気モリモリのShigeo 『 さー、出発や!!』

 『・・・ ほんまに行くんですかぁーー?』

 ふるぽんが渋るので、アマノジャクなワタシも援護射撃してしまう・・・

 『 コルまで行ってから考えたらえーやん、いこいこ!!』
   登攀チームより1時間早めの出発です
『 とりあえず出発するだけですよっ 危なかったら引き返しますからねっ!』


リーダーふるぽん、しつこく念を押します



そんなセリフがShigeoに通じると思ってるとこが、、若い

直後、ロストしてヤブ漕ぎもしちゃいましたー
スタートして1時間半 1回目の休憩〜


 ビバークの最低装備は持って行くように!と指示されてます


 『 Shigeoさんたち、ガスとバーナー持ってきましたー?』

 『 いんやぁー 』

 『 ・・・シュラフカバーは?』

 『 うんにゃぁー 』


 『じゃ、何持ってきたんですか!?』

 『 ツェルトとおやつー!』


 ビバーク = ツェルト だけじゃダメなのねー(涙
ガスで全容はわからないけど、右手の岩壁の上が登攀チームの登る畳岩らしい


雨はあがってるのに、壁は滝のようにザーザー水が流れてる

実際、ココで水補給しました


こんな状態じゃ、登攀は中止かもしれないなぁ。。。


 下のほうから笛の音や誰かを呼ぶ声がする

 目を凝らすと人影が・・・  登攀チームか? 

 無線をいれると、向こうも先頭の I さんが同じヤブでロストしたらしい^^; 
畳岩の逆層スラブ


そこから崩れ落ちた岩が堆積する天狗沢
足元の岩は全てグラグラ


目をこらし、耳を澄ませて落石に備えます



岩の隙間には引きちぎられたビニールの破片やサングラスの柄・・・

ただのゴミなら、それはそれでいいのだけど。。

7月、西穂ですれ違った外人さんがここで滑落したんだっけ、、

あの時は雪が残ってたらしいけど・・・


コルに近づくにつれ斜度は増してゆく

雪解けと共に崩れたばかりの岩塊も、かなーりキケン!


 天狗のコルに到着です

    崩れた避難小屋の横を降りると、西〜奥縦走路にブチあたりました
『 稜線は風キツくて寒いわー!ココで休憩しよ 』  


『 風きついんですか?それは危険です!        

    引き返したほうがいいかもしれませんね!』



・・・Shigeo、いらんコトゆーてもたーって顔してます^^;

でもねー、引き返すったってこの落石の巣窟ですよ


ジャンを越えるか天狗を下るか・・・  どっちもどっち

  目くそ鼻くそをー ・・・じゃなくて

  ドングリの背くらべ  ・・・でもない

  蚤の夫婦  ・・・ あぁ、、! どんどん離れていく!!


 とにかく、どっちも怖くてイヤです!


とりあえず、登攀チームに連絡をいれておこう

『 こちら天狗のコルに到着です。 奥穂へ進むか戻るか、しばらく天候の回復待ってみます。そちらはどうですか?どーぞ 』


水浸しだしー中止かな?と思われたが、膝の具合が悪いオサム君をのぞいた4人でアタック開始するらしい
『 オサムちゃん、残念やなぁ〜、、モグモグ・・』

バナナカステラをパクつきながら、動き回る雲を眺める


すると、ガスがの切れ間から青空が覗き始めた!



『 ふるぽん君、青空や!行くぞっ!!』

『 しかたないですねー。。。』



『 こちら縦走チーム、これからジャンに向かって出発しまっすー!』
天狗沢の続きのような・・

いえ、その何倍もデカくなった岩のガレ坂


踏まれてる回数が多い分、やや安定してるのが救いです
振り返ったら天狗の頭が見えました


ガスが流れると、トンデモない景色が広がります


 右手を覗き込むと岳沢

        登攀チームは・・・この絶壁を登るのか!?



 こっちも絶壁です (やや誇張)

 でも岩トレの壁にくらべたら階段みたいなもんです (めっちゃ誇張)

『 ふるぽーん、休憩まだー?』

『 まだですっ!』


 
 ・・・ちぇっ



『 なーなー、ジャンはまだー?』

『 まだまだですっ!』

 ・・・(`ε´;)


『 なーなー、馬の背ってどこー?』

『 ジャンの先ですっ!!
 『 おぉ!あの上がジャンやね?』


 『違いますっ!

  ジャンの手前ではいったん 
    降りるって言ってるでしょっ!』



   ふるぽん隊長、きびしい・・・
やった〜 休憩のお許しがでた♪



・・・おや?ふるぽんくーーん、お疲れ?

    あ、気疲れかな?^^;


あいかわらずガスは晴れたり立ち込めたり・・・


おぉ! あのシルエットは・・・


間違いないっ

じゃじゃじゃジャーン☆☆
上にいるのはレスキュー隊員

訓練かパトロールのようです


心配そうにコッチを見て何やら話してます・・・



今なら何かあっても即救助してもらえますね♪^^;


下ったとこにビバーク適地がありました


『 ココに泊まったら素敵や思いませんー?』

『 おお!今度それいこうぜっ!』


・・・お二人さん、ご勝手にどーぞ



 ※注!
  ふるぽん君が言ったビバーク適地とは
  このコルへ降りる前の平地のことでした。
  コルでビバークしたら落石のキケン大!

レスキュー隊員に 『 ご苦労さまですー』と挨拶し、登りついたのは・・
天使の待つ、予想外に広い頂でした


『 ワタシ、ほんまに来れると思ってなかったわ!』

『 オレ、めっちゃ嬉しいわ! ありがとな!ふるぽん!!』



『 いえいえ、ほんまに厳しいのはこの先ですからー 』


      ・・・ぬぁに!?

  登頂の喜びを半減させる、意地悪な小僧です(-"-;)



その、ほんまに厳しいらしいロバと馬、、  爆撃を受けて崩れたような山容です
気をひきしめて突撃開始!


トラバースしてー

          登ってー

また降りてー

ジャンから先、唯一すれ違った単独女性

なんと、冬の独標と夏の西穂で会ったラッセルウーマンでした!!

『 あら、また会ったわね♪』

この女性、ワタシが恐れてる山行のときに登場するなぁ、、^^;

ガスで 『こっちか?』 『いや、アッチや!』 なんてこともありーの 
いつの間にかロバさんを過ぎてました



振り返ってみたら・・


よくまぁあんなトコ通ってきたもんだ!!

って、通り過ぎたあとに怖くなる
『 Chikaさーん、アレですよ 』


ついに・・やって来てしまった



『 大丈夫ですよー、ココはそんな怖いとこ無いですからー 』



と言ってたふるぽん小僧
登りはじめてから

『 あれ?ちょっと怖いかも〜 』 って、、

(`o´;)/コラー!



 『 トラバースあるからソッチにします?』

(゚∀゚)♪


 『 大丈夫やー!このまま登ろ!』

し〜げ〜〜お〜〜〜(`o´;)/



ガスって下が見えないのはいいけれど・・

上も見えません

まるで天をつく針山のよう(涙


 ←ウマノセ終了点

    ア っと言う間ですねー♪


   ・・うそ ( p_q)    途中で写真とってる余裕なんて皆無でした

   振り返った馬の背↓ このナイフリッジを下るなんて変態行為、考えられません!!!


人がひしめいてます

 そう、奥穂に着いたのです!!


ジャンからこっち、ずーーっとガスガスで、、

  ギャラリーの注目を浴びれなかったのが残念^^;


大混雑の奥穂はスルーして、先の広場で休憩します


無線連絡を入れると、登攀チームはてこずっており、まだ1/3地点とのこと・・

なんて厳しいルートなんだ!

たっぷり休憩して吊尾根にむかいます

ガスってて見えないだろなー、、と思っていた涸沢

左下を眺めながら歩いてたら・・・ガスが流れはじめた!
『 こっちこっち!』

『 いや、もっと上まで登ろ!』


ふるぽん君もデジイチ抱えて走りますっ
あぁ・・・

燃えてます!!

『 ボク、ジャンよりコレ見れたことのほうが嬉しい!』 

ふるぽんくんによると、今までで一番燃えているそうです。 らっき〜〜♪

 
そして吊尾根へ


















去年ココ歩いたときは怖かったーー


でも今は



気を抜かず、慎重に、、

そうすれば大丈夫!と思える
喜美子休憩〜




『 前穂は・・・』

『 ガスガスやんけー!』


ってことで、パスっ






登って下って〜



雷鳥休憩
岳沢はカラマツで黄金の谷だった


黄金谷を下って下ってー


              カモシカ休憩

さっきからずーーっとヘリが飛び回ってます

地面スレスレに降りたかとおもうと、真横でホバリング




どうやら2日前から行方不明の人を捜索してたようです

3時、無事に岳沢ベースキャンプ到着                
膝不調で登攀をあきらめたオサムちゃん

それでも前穂を往復してきたらしい^^



『 登攀チーム、ビバークするかもって電話ありましたよ 』

ぇえ!?ビバーク!?


慌てて無線連絡いれます


登攀チームは天狗のコルに向かっているとこだった

状況次第ではビバークするかもしれないと・・・
『 岩ズルズルそうだったし、てこずったんでしょうねー』

『 ぼく、行かなくてよかったー』


  など話ながら、のん気に酒盛り開始〜〜☆


辺りはすでに真っ暗

小屋で追加したワイン2本あいても、、まだ連絡がこない


呼び出そうとしても、電波状態が悪く混線している



『 やっぱりビバークかなぁ、、』


『 まぁあの4人なら心配ないでしょー』
そんなこんなで8時過ぎ・・・ジャンを越えた充足感に満たされてー

オヤスミナサイ  Zzzzzz・・・・

 

10月11日 〜3日目〜
夜半から風が強くなった

テントの底にまで風が吹き込む


みんなドコで寝ているんだろう・・ 

  風は避けれてるのかな、、寒いだろなぁ、、

目覚めるたんび、そんな事を思いながら、、また短い眠りにはいる
『 一徹さんから携帯に留守電はいってましたよ!』

 朝、テントから顔出したふるぽんくんから嬉しい知らせ


『 天狗のコルでビバークしたんで、明るくなったら下山するって!』

 そうかー、よかった!
でも、無線はあいかわらず混線したまんま

今の状況がわからない



この時期、5時半でようやく薄明るくなる


すぐ下山開始しても8時は回るだろなー


それにKさんは雪の鹿島槍で足首を痛めてる

登攀は平気でも、山道は早く歩けないし、、
テントを撤収し、全員の荷物を小屋前へ移動しておく



降りてくるのはまだまだ!と思いながらも

 みんな天狗沢から目が離せない

『 あれ、そうちゃいます!?』
一徹リーダーとmayumiさんだ!
  

『 心配かけたねー。 大変やったんやー。』

一徹リーダー、笑顔が疲れてます


『 mayumiさんがケガしてなあ、、』

      えぇっ!?
 
『 落石が当たってんけど、大丈夫よ!折れてないし 』


元気そうに言うけれど、、ザックを一人では下ろせない

血がにじんだシャツの下はパンパンに腫れている


内出血で赤黒く変色し、腫れ上がっている左腕

腕だけじゃなく、肩にもアザができている

腕時計も壊れている・・・



現場は逃げ場のない狭いルンゼ

直径40センチの岩

mayumiさんは自分目掛けて落ちてくるその塊を見て逃げられないと直感し、かろうじて頭を避けた



『 関節とか足に当たらんでよかったわー。 けど左手が使いものになれへんから、そっから先は右手と腹筋で登ってん 』


『 ふ・・腹筋ですか!?』

『 気合や気合ー! ハッハッハ!!!』


・・・・・・(-"-;)

 
mayumiさんのケガを考えると、一徹リーダーはその日のうちに下山したかった

けれどガレガレの天狗沢・・

迫り来る夕闇の中、Kさんの痛めた足でココを降りるのは危険と判断

いったん下りかけた天狗沢を戻り、コルでビバークとなったらしい



長くて寒い夜、ツェルトの中で何を考えていたんだろう、、

『 ゆうべ?すぐ寝たよ。  風? 朝までぐっすりで知らんわー!』


・・・さすがでございます

 
陽が高く登り、岳沢もポカポカ・・

全員、パッキング終了!

『 さー、早く河童橋でコロッケ食べよ!』
すっきり晴れ渡った岳沢

なんども写真休憩いれながらー


観光客であふれる上高地に降り立ちました
河童橋のたもとでコロッケ・ソフトクリームetc…もちろんビアも♪   
岳沢を見ながら次のシゴキを企む(?)一徹と蝶野 

『 この見えてるとこ、ぐるーーっと歩いてきたんですわ!』 みあげる観光客に自慢するShigeo^^;
上高地は平和そのものでした

〜今回の軌跡〜
 
 
 

Shigeoと二人きりだったら、絶対考えもしなかったジャンダルム

ふるぽん隊長、ありがとう!


登ってるときに恐怖を感じることが無かったのが、自分でも不思議・・・

一徹さん、蝶野さん、岩場での練習の成果です

ありがとう!!みんな!!!!
 
 

 

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